めも。

長文ツイートの墓場みたいな感じ。

映画『リアル』に思いを馳せながらつらつら佐藤健語りをするよ。


おたくの戯言だよ。

リアルすごい好きだけど好みはとてもわかれると思うよ。

 

 




リアルのDVDが発売されたということで自分なりにあの映画の好きだったとこをダラダラと考えていました(いまさら)ちなみにDVDは買ってない。

あの映画言ってしまえば“コケた”んだろうけど、個人的には結構好きな作品だった。具体的にどこが好きかっていうと浩介がどんどん狂っていく描写が好きだった。
例えば最初の方の死体の幻覚を見る場面だったり、夜中、虫が大量に沸いている幻覚とその羽音の幻聴を聞く場面だったり、自分の手の中に拳銃があると錯覚する場面だったり。そして、昏睡状態なのが自分だと聞いて安堵する浩介の表情が、もう完全にこちら側の人間じゃないのがすごく好きだったりするのだ。
けれどやっぱりうん?と思うとこもけっこうあって。特に首長竜のVFXのあたりはあれ本当に必要だったの?とわりと本気で問い詰めたいぐらいにはいらなかったと思ってる。それと結末も、あれ浩介が目を覚ましてしまったのはどう考えてもとってつけたようでご都合主義だなーなんて。ちなみにわたし原作は未読です。

映画を見てまず最初に思い出したのがBahashishiのPV三部作だった。これ、わたしの他にもう1人同じこといってる人がいて感動してフォローしたのを覚えてる。“夢の反転”っていうテーマがね、同じなんだ。
比べるのはまったく畑違いかもしれないけど、自分の中で延長線上にあるように感じてるのでここでは比べさせてね。なんせしょうもない一人語りだ。
結論どちらが好きかと聞かれたらBahashishiのPVだと答える。なんでかっていうのは簡単で「気に入らないところがない」から。そりゃもちろんお話メインの2時間ものと、音楽メインの1時間に満たない映像作品では期待するクオリティも表現しなきゃならない幅も違ってくるからもちろん同じ土俵じゃない。
けど、あのPV三部作はやっぱりオチにすごく納得がいくんだよねえ。あれはほら、戻ってこないじゃない。
リアルはね、なんで浩介が現実に戻ってきたのか、それがどうしても弱いというか薄いというか、よくわからないんだ。

そう考えて、それってもしかしたら「たけるくん自身」の問題なのかもしれないと思った。(わたしは佐藤健という俳優は決して演技が上手いとは思ってない。ただ、彼に沿う役というか、彼の醸し出す雰囲気を必要としたキャスティングがきちんと回ってきてるだけだと思ってる。)
前からずっとBahashishiさんのあれ、きちんとセリフ入れて物語として見たいってずっと言ってるんだけど、そう思ったら今のたけるくんにあれを説得力もってやることはできないんじゃないかなあってふと考えたんだ。
最後にボートの上でエレナちゃんに縋りつくみたいに抱きしめるじゃない?ああいう、何かを必死になってつなぎ止めようとする、そういう感情に、今のたけるくんでは“ほんとっぽさ”が出ない気がするんだよなあ。だから、『リアル』の結末にも違和感が出る。必死に生にしがみつこう、という意思に“ほんとっぽさ”が感じられないんだよね。

「剣心を演じられるのは佐藤健」しかいないっていうのは、そういう意味で正解なのかなあって思った。剣心って行動の主体が「自分」にはないんだよね。なにかにしがみつく必死さを必要としない。なんかそういう諦観っていうか、そういうのがたぶん今のたけるくんの醸し出す雰囲気であって、それを必要としたキャラクターが緋村剣心であって、だから「あ、剣心だ」って思えたのかなって思ったんだ。