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めも。

長文ツイートの墓場みたいな感じ。

映画「黒執事」

映画 植原卓也



wwws.warnerbros.co.jp



※バリバリの原作ファんです
※舞台は観てますがアニメはノータッチです
※ネタバレしますので観る予定のある方はお気をつけください
※貶してはいません






 







まず言っておきたいのは、文句を言うために観に行ったわけではないということ。
ものすごい改変があったため、罵詈雑言様々言ってらっしゃる方も多数みかけましたし、わたしも抵抗を感じて観ないでおこう、と思っていました。
けどティーザーを目にして「意外とおもしろそう…?」と思ったのでちょうどポイントも貯まっていたし観に行くことに。


結論から言うと「黒執事がやりたかったんだな、ということは問題なく感じられる」映画でした。
ここでポイントなのが、黒執事が「できていた」のではなくて「やりたかったんだな」と感じたとこ。細かいことはわからない素人ですが、それにしても目に見えて予算がなかったんだろうなあ、といった感じ。原作をけっこう細かく読んで、原作ファンが好きそうなシーンとかきちんとおさえてるんだろうなってことがわかっただけに、なんだかものすごくもったいないな、と。


細かいこと言ってこー

わたし個人の印象ですが整理するために点数で話すと、脚本としてはほぼ100点満点。ちょっと減点箇所があって90点ってとこかな。なぜセバスチャンが晴明に憑いたのかがいまいちわかりにくいし、焼印の意味もわかんないってとこでマイナス10点かな。そこもうちょっときちんと説明してくれれば辻褄も合ってよかったんだけど。事件に関わった九条の悪趣味な感じとか、華恵の動機の生臭さとか、そういうのはものすごく世界観ぴったしで、きちんと原作わかってくれてるんだなって思えてよかったよ。
役者さんはみんなすごくよかった。特に優香さんが個人的にMVPでした。剛力ちゃんもすごくよかったー。あと水嶋ヒロ、もうびっくりするぐらいちゃんとセバスチャンだったんだから髪の毛ストレートにしてくれればよかったのに!!!!!!!そのぐらい簡単でしょ!!!!!!!!でもそんなの気にならないぐらいちゃんとセバスチャンでほんとよかった。栗原くんはビジュアルはいいけどもうちょっとちゃんと演技してね(笑)とゆわけでこちらも80点ぐらい。

で、合わせて180点あるわけですが、ここまでの高評価を圧倒的に覆す形で美術に関してマイナス200点ぐらいつけたい勢いでほんっっっっっっっとうにここに関しては文句言いまくりたい。文句っていうか、もうちょっとなんとかできなかったの?って言いたい。
どっからどう見ても現代日本の街並み、背景なのに衣装は原作を中途半端に踏襲したヴィクトリアン調(それもセバスチャンと晴明のみ)、ラジオから流れるのはなぜか英語、お屋敷だけ切り取られたような英国風、猫磨の部屋なんか小物CG?なにがしたいの?って思うようなちぐはぐさ。というか全体的なCGの安っぽさ。
北九州のフィルムコミッションって時点で近未来設定とか無理があるんだから、いっそ現代日本設定にしてもうちょっと全体をそれに均して美術つくればもっと違和感なくできたと思うんだけどなあ。お話としては現代日本設定にしても違和感のないものではあったし。


大きな失敗要因はたぶんみんながわかってる通り原作とはセバスチャン以外の登場人物を一新して、時代設定も変更してるというのに、本来映画オリジナルであるはずのキャラクターたちを変に原作によせってしまったことじゃないかなあ。正直言って剛力彩芽ちゃんは声も、顔も、体系も、少年といってふさわしいものだったから、彼女が原作通りのシエルをやってもよかったと思うんだ。
そもそもお話自体もマダム・レッドのところとドルイット子爵のところを混ぜて辻褄を合わせたって感じで、それ自体は成功していたしなんの破綻もなくおもしろいものになってたから、変に時代設定変えたりキャラクターを変えたりせずにそのまーんまやればなんの問題もなかったと思うんだけどなあ。
けっこうたくさんのシーンが漫画そのまんまのセリフや表情、カメラアングルを使っていて、役者はほんとうによかったから原作ファンとしてもすごく楽しませてもらったし嬉しかったんだけど、それを全然違うキャラクター・時代設定だ、という名目の下やられてるわけで、だから結局自分がなに見てるかわかんなくなっちゃったんだよねえ。
特にわたしは、「あっこのシーン原作のここだ!」とか「そうそう、ここはこういうカット割でこういう状況でこういう表情で」とかすげー細かく覚えてる気持ち悪い系ガチヲタなのでその違和感に耐えられなかったのかもしれない。

そこまでやってくれるんならなんで設定そのままやってくれなかったのって思ったときに結局、ああお金がなかったんだなあっていう答えになっちゃって、素人の鑑賞者にそれを考えさせたらエンターテイメントとしては不成立だよなあ、となってしまったわけです。
観る前は原作に対する理解もなにもなしに人が入りそうなコンテンツとして黒執事が選ばれたわけでしょうにぷんすこ!としてたわけですが、実際観たら全然そんなことなくて、逆にこんなにやってくれてきちんと黒執事作ろうとしてくれてすごいなあって思ったぐらいだから、余計にそういう現実的な事情とか、もうちょっとなんとかならなかったのかなあってもったいなく思ってしまいました。


あ、でもね、最後のシーンだけ1こ文句言わせて!w
あれはセバスチャンの振り向きざまの意地の悪い表情とセットできちんと黒執事として成り立つセリフなのであって、セリフだけああやって切り取っちゃったらセバスチャンいい人になっちゃうじゃんだめでしょ!!!!!!!
あれ、原作にそのまんま(原作は夜だけど)あるシーンで、最後晴明をベッドに寝かせたあたりでやるか?やるか?とは思ってたわけですが、案の定やったー!となったwからまあ原作知ってる人、わかる人はああ、あそこかって自分の中で処理できるんだけど、知らない人から見たらラストあたりの流れから相俟って実はセバスチャンいいやつなんじゃ…?みたいな印象になってしまうんじゃないかなあってのがちょっともやっとするところ。




いろいろ言いましたし文句もありますが観てよかったなあと思うし、文句というよりももったいないなあという感想の方が大きいかな。
お時間ある方は観に行ってみても損はないと思います。原作知らない方はたぶん一映画として大いに楽しめると思うし、原作知ってる方はちょっと違和感は感じるけどすげー!セバスチャンだすげー!って思えるよw